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小さなオープンカーで北海道の温泉を巡る、道産子の入湯記録。

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長万部温泉60周年記念講演



2014年3月に長万部温泉の丸金旅館で、開湯60周年記念講演が行われました。講演されたのは温泉教授こと松田忠徳教授です。
その講演の内容を箇条書きで一部記事にしたいと思います。
※まとまるために話の順序を変えたり意訳している部分があります

会場
温泉と観光について
・単なる観光(の拠点としての使い方)だけではなく、温泉が地域の人の健康力にも貢献できて皆長生きするなら、そのことが五万とある温泉の中での個性や(観光地としての)ブランド力になってゆく、そういう力が長万部温泉にはある。
・そのブランド力を海外に発信するには一番良い時期。
 外国人が温泉にたくさん来ることに否定的な人もいるが、インバウンドによって、生まれた時からある地元の温泉が国際的な商品になること、それに伴って(観光以外の)様々な商品が買われていく。そういう時代になったことはチャンスである。日本人は年間に120万円ほどの消費をするが、外国人観光客が9-10人来ればそれと同じ金額を使う。
 外国人観光客が来るということは、その場に居ながらにして「商品を輸出する」のと変わらないという考え方をするべき。
・観光とは文化力である。フランスは人口6000万人に対しインバウンドは8300万人。日本のインバウンドは人口の1割程度である。フランスがそれほど観光客が多いのは文化力があるからである。
 文化的であればインバウンドはどんどん来る。
 日本人であることそのものがブランドである。その国が生き生きとしている様子を見るのが観光である。観光業者だけが観光に携わるのではない。道を聞かれたとき英語ができないからと言って逃げたら、観光客にとってそれが日本人のイメージになる。日本人一人一人が日本の顔・代表である。英語を喋られなくても恥じることはない。国際化とはますます地方性を出すことであって、外国語の看板だらけになることではない。
 

日本の温泉の現状
・東京23区は、10平方キロメートル当たりの温泉施設数密度がもっとも高く、東京都は全国で4番目に温泉施設が多い都道府県である。東京では駅を出たところに温泉があり、かけ流しの温泉もあるわけで、そこで北海道で同じことを&しょうもない温泉を作っても客が来るわけはない。
・2005年以降全国で年間200軒以上のペースで温泉宿・ホテルが廃業している
 温泉宿を続けるより都会でサラリーマンをしている方が安定しているため、後継者を呼び戻さず自ら廃業している施設が増えている。
・温泉ホテル・旅館の宿泊数は25年前と同じ水準で、広告料などの水準も同じである。
 北海道における温泉ホテル・旅館の宿泊者数は1000万人を超えている。1000万人を超えているのは北海道と静岡県だけだが、25年前と比べて宿泊者数が増えているのは北海道だけである。温泉県といえど大分県は500万人を切っており、三重県よりも少ない負け組である。

今後生き残れる温泉とは
・キーワード「健康と美容」
 女性客が多い温泉地は安定している。
 新幹線の開業は女性客を中心にしながら新しい客層を掘り起すチャンスである
・キーワード「滞在型」
 どこでも宿泊客は減少している。団塊の世代もどんどん減る。それだけ見たら観光業は未来がない産業である。それでも、以前より宿泊客が半分になったとしても、連泊してもらえば以前と変わらなくなる。連泊型・滞在型にするために地域を面白く。
・キーワード「インバウンド」
 外国人はお金があるから爆買いするのではない。日本のものだから買うのである。企業名がブランドなのではない、国内で作ったものだからブランドになる。
 観光も一緒である。中国人が日本に来て中国産の野菜を宿で食べるのは観光とは言わない。長万部で採れるホタテを上海で食べるのは観光ではない。それをわざわざ長万部に来て食べる「地産地食」こそが観光である。食材は町内・近郊・道内・最悪国内で用意すべきである。

・観光とは最も高度な産業である。世界中の様々な業界でトップの人が癒されて職場に復帰していく場だからである。日本ではどんちゃん騒ぎの場としていつも下の位置に置かれてきたが、考え方を変える必要がある。観光地は聖域であるという認識を持つべき 
・コンクリートの建物に住めるようになったことが「発展」ではない。外国人は木造建築や畳の部屋といった歴史と文化がしみ込んだ日本を表す部屋を希望する。が、その日本人は畳の部屋にわざわざベッドを設置していてそういう部屋に泊まりたがる。外国人との感覚のずれが起こっている。
・かつての北海道はサービスも料理も悪いけど価格は安いし自然はいいと言われていたが、現在では食材は一級品であり、JTBや日旅のアンケートでサービス日本一となった北海道のホテルも出てきていて、おもてなしも良くなってきている
施設の豪華さではすでに日本は海外に敵わない。質の高さで勝負するしかない。

源泉かけ流し温泉の科学的・医学的意味
 全ての生き物は酸素に触れて死んでゆく
 酸素なしには生きられないが、酸素を多く使う生き物ほど早く死ぬ
 釘がさびる、食べ物が腐る、老化=酸化である
 酸化されないようにすることが必要である
 
 温泉の出来方
  水がしみ込み、700℃から1300℃のマグマだまりの熱に熱せられる
  50000気圧の地中で250-270℃の状態で液体を保っている
  酸素がない
  地表に出た時に酸素に触れることが温泉にとっても敵となる
  常に新鮮なお湯を使うことが大事

 ※活性酸素
  呼吸した空気の2%は活性酸素になる
  食品添加物、放射線、強い紫外線、防腐剤、農薬、ストレス等は活性酸素を生み出す  
  人間は酸化と還元のバランスが取れる体の仕組みになっているし、野菜やフルーツ(抗酸化食品)で酸化を抑えているが、無知と生活習慣によって強い活性酸素を生み出し自ら病気になっている
  塩素は活性酸素の力で細胞膜を破壊して菌を殺す。人間も細胞でできているので影響を受けるが、細胞の数が多いから死なないだけである
  そこで温泉の還元作用が健康に貢献する
  
 現代医学の手法で、現代医学の設備を使って、温泉が医学的に効果があることを証明したい
 ・2014年9月から12月まで道内の町で実証実験が行われたが、週1回・週2回の通いの温泉浴だけ(食生活については何もしていない)で酸化ストレス度が減り、抗酸化力が高まる結果となった
  →温泉は予防医学に活用できる
  設備的に源泉から浴槽に来るまでに相当酸化還元電位の数値が下がった状態で、この結果
 ・過去の実験でも、3泊4日のプチ湯治モニター・通いモニターともに数値が良くなっている

 この実験方法は泉質を問わない
 同じ源泉かけ流しでも優劣が出てくる
  通常は湯口では抗酸化力が高くても湯尻ではその1/4、1/5になる
  浴槽内でも高い抗酸化力を維持しているお湯は貴重である

内湯
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プロフィール

HN:
のん
性別:
男性
職業:
温泉愛好家&温泉ライター。温泉資格:温泉入浴指導員・温泉健康指導士・温泉ソムリエマスター・温泉観光士・温シェルジェ・温泉観光実践士・温泉観光管理士・高齢者入浴アドバイザー。
趣味:
湯。翼。
自己紹介:
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