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小さなオープンカーで北海道の温泉を巡る、道産子の入湯記録。
大船下の湯
- 2014/11/19 (Wed)
- 温泉紹介-渡島 |
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手元の資料によると、下の湯は「天保10年(1839)頃臼尻村の能登谷某が発見し、浴場を設けたことに始まり、その後…明治10年頃(1877)臼尻村の二本柳某が再びこれを発掘して浴場を設け、旅館を営業し自炊客を扱っていた」となっています。
開湯から175年。同じく天保時代開湯の旧磯谷温泉とほとんど変わらない、歴史ある温泉です。
源泉は離れたところにありますが、そこから引かれたお湯は2段の小さな貯湯槽を経て温度が下がり、湯船に注がれています。
その変わらない姿を見てから、母屋で湯銭を払いました。
母屋にも外にもたくさんのネコがいます。
湯小屋に入るとすぐ脱衣場です。
統一感のないカバーがかかるソファーや新旧の張り紙など、目に入る風景がどれも気持ちをほっこりさせてくれました。
早速浴室へ入りましたが、古びた木造の建物や明治時代から使われていると言われる湯船など、以前のままの姿に安心します。
立ち寄ったのは午前中の早い時間でした。そのため朝の強い日差しが差し込んで独特の雰囲気になっています。
湯口には栓が入っていて、湯量が抑えられていました。
以前は栓などはなかったため湯船の中が非常に熱く、何度もかけ湯してやっと少し浸かりましたが、今回はこのおかげで湯船の中は適温。43.0℃でした。
湯口のお湯はそのままかけ流されています。
湯流れのところは白く成分がつき、少々滑りやすくなっています。
栓で調整されているとはいえ湯量は十分。
洗い場にはカランはありません。
私と入れ替わりで先客がいましたが、それでも綺麗に並んでいる洗面器に、ここが愛される温泉であるのを感じました。
小さな棚の上には常連さんの物でしょうか、カミソリなどが置いてあります。失礼ながら決してきれいと言える施設ではありませんが、この湯小屋の佇まいが好きな人にとってはこうした物も全て心に沁みる風景として目に映るように思います。
分析書はありませんが、過去のデータでは泉温79.0℃、pH6.63、泉質は含食塩-硫黄泉(硫化水素型)のようです。
湯使いは源泉から自然に流れ冷却され注がれるシンプルなかけ流し。青白くもグレーにも見える湯色で、硫黄の香りが鼻をくすぐります。柔らかく滑るような肌触りで、よく温まるお湯です。
入浴時はずっと貸切状態で良い湯を楽しみました。
さて、湯銭を払う時に「あがってから河原を散策してもいいですか?」とお聞きしたところ、「地主さんが良く思っていない」「経路等を詳しくネット上で書かれると困る」というお話で、河原には立ち入らないようにと言われました。既に湯小屋の裏には小さな看板がありますが、さらに立入禁止の看板を立てたいとのことでした。
実は10年前に立ち寄った時、こちらのご主人に「裏の河原に行ったことはあるかい?」と聞かれ、そのまま案内してもらいました。
重機で少し掘ったという源泉は見事な湯色でボコボコと湧き出ていて、自然の力強さを感じたものです。
その時のことを懐かしく思い出しました。
入浴料は200円です。
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プロフィール
HN:
のん
性別:
男性
職業:
温泉愛好家&温泉ライター。温泉資格:温泉入浴指導員・温泉健康指導士・温泉ソムリエマスター・温泉観光士・温シェルジェ・温泉観光実践士・温泉観光管理士・高齢者入浴アドバイザー。
趣味:
湯。翼。
自己紹介:
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