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小さなオープンカーで北海道の温泉を巡る、道産子の入湯記録。
金毘羅火口災害遺構散策路とKH-1地熱施設
- 2015/05/29 (Fri)
- 謎の湯・野湯 |
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北海道洞爺湖町。
有珠山の北西にある金毘羅山は、2000年の噴火の際、西山の噴火の翌日に噴煙を上げました。この噴火による死傷者はいませんでしたが、熱泥流により多くの被害が発生し、現在でもその被害の様子を見ることができます。
今年は4月20日から散策路がオープンしましたので、早速行ってきました。
砂防ダム上の展望台から下に降りると小屋があり、そこでマップを頂けます。
分かりやすくちょっとしたユーモアのあるイラストで、これを頼りに散策路を歩きました…と言いたいところなのですが、最短距離で火口まで行くはずが、なぜかマップを見ているのに遠回りのルートを歩いてしまいました。
散策路には数百メートルごとに「T-○」というポイントがあります。
ポイント間の距離が短めなので、サクサク進んでいる気分になります。
泥流で約100m流されたという「木の実橋」
1階部分が埋れた「桜ヶ丘団地」を通り過ぎます。
そこからT-1'、T-2'、T-3'、T-4'、T-5とポイント通過。
旧国道230号線の舗装が一部残されています。
そこから山の中へ入ります。
散策路にはところどころに看板があり、興味深く読みました。
この散策路から見える2つの火口湖は、どちらも一時は40℃ほどの温泉だったそうです。
少し歩くと、火口の説明看板がありました。
その向こうに見えるのが「珠ちゃん火口」です。
既に火口周辺は緑に覆われていて、鳥の鳴き声が響いていました。
そこから少し進むと、T-7の分岐点があります。
分岐点のところに火口の案内がありました。
分岐を曲がると、緑が少なくなり火山らしい景色になります。
少しだけこの斜面を登ります。
そして見えた「有くん火口」。2000年の噴火でできた最大の火口です。
こちらはまだ緑も少なく、火口の雰囲気たっぷりでした。
静けさと透き通ったエメラルドグリーンの湖水の雰囲気が非常に印象的でした。
最大で10mの深さがあるということですが、底まで見えそうな透明度です。
さて、2つの火口を見た後はさらに散策路を進みます。
有くん火口のところから振り返ると湯煙が林の中に見えるのですが、散策路を歩いてゆくとそのの正体がありました。
ロープが張られていて建物の前まで行くことはできませんが、木の間から建物と湯煙が。
これが「KH-1地熱構造試錐井」です。
これは洞爺湖温泉利用協同組合がJOGMECから1億6000万円強の助成金を受けて掘削した井戸で、湧出量毎分505リットル・泉温99.8℃の温泉が出ています。
調査井として掘削されたため調査以外に使用できない状況でしたが、JOGMECは洞爺湖町にこの源泉を無償譲渡し、この源泉を地域再生の名のもと利用できるようになりました。
そこでできたのが、この発電施設とジオ玉子小屋(温泉卵製造所)です。
といっても近くまで行くことができませんし、温泉卵を作るのも来年度からの計画のようですので、残念ながらここで引き返すことにしました。
引き返してふと小屋の下辺りのところを見ると、何と湯気が上がっています。
ここもロープが張ってあるので湯気が上がっているところには入れませんが、KH-1源泉のこぼれ湯と思われる湯流れがあって散策路横まで流れていました。
散策路に来るまでに20℃台まですっかり冷めてしまっていますが、直接触れることができたので満足でした。
なお、このKH-1源泉が浴用に利用されるようになったため、使用する源泉が少し整理され、各施設に配湯されているお湯の泉質も変わっています。
各施設の分析書が少しづつ入れ替わり始めていますが、
源泉-以前「洞爺5・6・9・12号、共同1・2・3・4・5・6・7号混合泉」
源泉-現在「洞爺5・6・9・12・13号、共同1・2・4・5・6号、KH-1混合泉」
泉質-以前「ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩泉」
泉質-現在「ナトリウム・カルシウム-塩化物泉」
また、今まで各源泉をブレンドして一度加温してから各施設に配湯していたのが、加温する必要がなくなったのも大きな変化だと思います。
金毘羅火口散策路の見学時間は7:00〜18:00です。
※参考
洞爺湖温泉利用協が新源泉を入湯と温泉たまごに利用(室蘭民放)
地域再生計画
JOGMECのニュースリリース
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プロフィール
HN:
のん
性別:
男性
職業:
温泉愛好家&温泉ライター。温泉資格:温泉入浴指導員・温泉健康指導士・温泉ソムリエマスター・温泉観光士・温シェルジェ・温泉観光実践士・温泉観光管理士・高齢者入浴アドバイザー。
趣味:
湯。翼。
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