+ green wing +

「幕別村誌」にはこんな記述があるそうです。
"途別礦泉は大字別奴村途別にあり、札内駅の東方10数畝を距て、無数の丘陵起伏せる麓を横流する途別川畔に湧出す。
明治29年5月、本郡利別太村加藤某なるもの、霊夢によりて之を発見し、試に汲み取り携え帰りて、東京芝区伝染病研究所医学士木村武夫に託し分析したるに、亜留加里反応を呈し、塩味を帯び主として慢性胃腸、僂麻質斯、経久黴毒、皮膚病、子宮病等に特効あり、其他萬病に験ありと云ふ"

加藤氏がここで温泉旅館(加藤温泉)を開業したのは明治39年ころ、そして大正元年には黒田林平が温泉旅館(黒田温泉)を開業しました。
両方とも20℃から21℃の冷泉で、付近の木を使って沸かしていたようです。歌人若山牧水はこの黒田温泉に宿泊しましたが、廃屋っぽい建物で１泊で逃げようかと思ったそうです(笑)

さて、その途別温泉ですが、看板のところから歩いていくと、木などが自生しているものの意外に平らで広い土地で、この敷地のどこかに温泉宿が建っていたんだろうな・・と思いました。


そして、そんなに歩かないうちに・・すぐ目に入ってきます。
音も聞こえてきます。


ネット上の情報によると「新たな温泉を作ろうとした跡」だそうですが、かなりの勢いで冷泉が噴き出していました。
温度計は現在ないので温度は測れませんでしたが、触ってみると冷たく感じるほどで、20℃前後だったという当時の源泉と大差ないのではないかと思います。
周囲は若干茶色く色がついており、冷泉そのものからは弱い金気臭を感じます。


画質がだいぶ落ちてしまいましたが、雰囲気は伝わるかと思います^^;


春らしく周囲にはネコヤナギの花が咲いていました。
ここの温泉に泊まった人たちも、この木を見たのでしょうか。
この景色は何十年もずっと変わらずにここにあるのでしょうね。


帰り道には「幻日」という珍しい自然現象を目撃。
日高山脈の山の上に縦に虹のようなものが見えるのがそれですが、この日の幻日は新聞等にも写真が載ったようで、貴重な経験をすることができました。

この付近には別の温泉跡の冷泉湯流れもあるようで、さらに気になるところです。