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小さなオープンカーで北海道の温泉を巡る、道産子の入湯記録。
薬師温泉
- 2014/07/20 (Sun)
- 廃業・休業温泉 |
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北海道蘭越町。
宿の開業は明治32年と古く、開業当初は昆布七湯の1軒「成田温泉」と呼ばれていました。のちに別の方の手に渡った際、小樽の薬師神社に相談したうえで「薬師温泉」と改名されました。
なお、小樽の薬師神社は同じく昆布七湯である旧黒沢温泉を譲り受け、その土地に分院として神社を建立し、参拝者のための休憩所を建てたと言われています。
薬師温泉には3度立ち寄っていますが、昨年の夏に7年ぶりに立ち寄ったのが最後となりました。
玄関前に立つと、いろいろな張り紙を目にします。
蜂やキツネが入りかねない、自然に囲まれた場所でした。
夏は車から降りるとすぐにアブに歓迎されました(^_^;)
湯銭を払って中へ進みます。
休憩所を過ぎて手前にあるのが、濁り湯の浴室です。
ここは混浴で、脱衣場も男女一緒。
木製の棚に年季の入ったカゴが並びます。
濁り湯の湯船です。日によって色が変わることがあり、以前には年に数回マリンブルーに変わると聞いていましたが、過去3度ともこのような茶色い湯色でした。
お湯は湯船の底から湧いています。
温度は36.9℃。透明湯よりも強い金気臭と土気臭があり、身体には気泡が纏わりつき、しっとりした感じがありました。
濁り湯の湯殿には洗い場がなく、湯殿のほとんどが湯船となっています。昼間でも少し暗く、全く湯船の底が見えないので足元を探りながら湯船に入り、見上げるといつもこのような景色でした。
さて、一度服を着て廊下を進むと、透明湯の入口があります。
濁り湯の方より広く、ロッカーもある脱衣場です。
早速湯殿へ入りました。
こちらの湯殿には洗い場がありますが、やはり深い湯船が湯殿の大半を占めています。透明湯の名前の通り、湯船の底まで見える綺麗なお湯でした。男女の間の底の部分は少し開いていて、以前に混浴だったことを連想させます。
備え付けてあるハシゴを降りるようにして湯船に入り、そのまま湯船の中で立って浸かるような形になります。
私の身長でも胸の高さまでの深さでした。
お湯は湯船の底から自然湧出しており、時折ポコッポコッと気泡が上がってくるだけでなく、肌にも気泡がまとわりつきます。弱い金気臭がある柔らかいお湯で、湯船の中で37.3℃ありました。
館内3か所に分析書が掲示されていますが、どれも内容は一緒。この分析書が正規のもので「薬師温泉」として昭和32年3月に分析されています(他の2つはこれを書き写したもの)。
成田温泉は昭和29年に売却・新たな宿主により改名されていますので、その直後に分析に出したのかもしれません。
この分析書によればこちらの温泉は「薬師温泉」。
泉温39℃、pH5.6。
蒸発残留物2.156g/kg。
泉質は弱食塩泉です。
最新の分析書も見てみたかったです。
さて、以前に1度きりですが、離れたところにある露天風呂にも立ち寄っています。初めて立ち寄った10年ほど前には既に脱衣場は放置状態。露天風呂も自己責任で、という話でした。
こちらも湯船の底から自然湧出しています。
自然湧出する源泉の上に湯船を作り、その周りに建物を建てたような印象さえある薬師温泉。素晴らしいアワアワの名湯でした。
入浴料は300円でした。
2013年に久しぶりに立ち寄った際、お湯の良さは変わらずでも建物は古くなるままの状態だったのが気になりましたが、2013-2014年の冬に建物が倒壊。
その後日帰り入浴のみで営業していたものの、残念ながら2014年5月に閉館しました。
既に不動産屋さんのサイトに薬師温泉が掲載されています。建物はそのまま使えませんので、源泉を数本買う感じでしょうか・・・。
ちなみにこの建物も薬師温泉のもののようですが、ここは売却物件になっていないようです。
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プロフィール
HN:
のん
性別:
男性
職業:
温泉愛好家&温泉ライター。温泉資格:温泉入浴指導員・温泉健康指導士・温泉ソムリエマスター・温泉観光士・温シェルジェ・温泉観光実践士・温泉観光管理士・高齢者入浴アドバイザー。
趣味:
湯。翼。
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